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水のコラム
 
 
第11回 水で有害物質を分解 ―― 超臨界水
 
温度や圧力などの条件を変えるとさまざまな性質を持つ水。
今回は、環境汚染の原因となる有害物質を無害な物質に分解するという「超臨界水」について紹介します。

液体であり、気体でもある!?
液体の水は100℃で沸騰して気体の水蒸気になります。水蒸気の温度を高めたものが前回紹介した「過熱水蒸気」、そして、水蒸気の温度と圧力を高めて臨界点(374℃、218気圧)を超え、気体と液体が一緒になった状態を「超臨界水」といいます。
高温・高圧で大きなエネルギーを持つ超臨界水は、気体の拡散性(分子が細かくあらゆるところに広がる性質)と、液体の溶解性(物を溶かす性質)を併せ持ち、ほとんどの有機物を分解することが可能といわれています。

PCBやフロンを分解して無害化
有害物質のPCB(ポリ塩化ビフェニール)やダイオキシン、オゾン層を破壊するフロンなどは、分解が難しい物質で、さまざまな処理方法が研究されていますが、これらの有害物質も有機物なので、超臨界水で分解、無害化することができます。

例えばPCBを処理する場合、燃焼処理では低温度域でダイオキシン生成のおそれがあるし、化学反応で分解するなら溶剤が必要、また光による分解は無害ですがかなり長時間かかるなど、なかなか困難です。
超臨界水を利用した処理では、溶媒は無害な水で、有害な副生成物はなく、比較的短時間で分解できて、密閉された中で行われるので処理工程で環境への拡散もなし。最終的には水と二酸化炭素と無機塩類に分解されます。環境への配慮をはじめさまざまな利点のある超臨界水によるPCBの分解は、すでに工業分野での応用が進められています。

バイオマスのエネルギー化にも
今、石油などの化石燃料に代わるエネルギーとして注目される、生物由来の資源・バイオマス(家畜の糞尿、建築廃材、間伐材など)。このバイオマスのエネルギー変換についても、超臨界水を利用した技術があります。 バイオマスを超臨界水で分解してメタンなどの燃焼ガスを抽出する方法、超臨界水内で燃焼させて無害化しながらその熱を発電に利用する方法など、さまざまな研究が進められています。

「超臨界水」の利用は、実は特に新しいものではなく、すでに火力発電所では、高温・高圧の超臨界水でタービンを回す熱効率の高い発電機が稼動しています。しかし、超臨界水は、有害物質の分解や有効物質の抽出などの分野で、環境に配慮した循環型社会に適した技術として有望視されているのです。

〔参考ページ〕
http://ja.wikipedia.org/wiki/超臨界流体

http://www.pref.shizuoka.jp/governor/taidan/myshizu15/myshizu15_1.htm

http://www2.infonets.hiroshima-u.ac.jp/seeds_db/database/120.html

http://www.organo.co.jp/
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