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最近は水も嗜好飲料の一つとしてペットボトルで買われるようになりました。ミネラルウオーターをダイエットなどの目的で飲む若い女性、ちょっとぜいたくですが調理に使う方もあるようです。水割りなどの飲料用はミネラルウオーターが定番ですね。
水の硬度はミネラル含有量で決まる 水には軟水と硬水があり、その区別の基準となる「硬度」は水に含まれるミネラルの量で決まります。硬度は水に含まれるミネラルの「カルシウム」「マグネシウム」の量で計算することができます。
硬度 (mg/L) ほぼ等しい カルシウム量 (mg/L)×2.5 + マグネシウム量 (mg/L)×4.1
世界保健機構(WHO)の基準では、硬度による軟水、硬水の区分は以下のとおりです。
軟水 | 0~60未満 |
---|---|
中程度の軟水 | 60~120未満 |
硬水 | 120~180未満 |
非常な硬水 | 180以上 |
日本の水の硬度は平均約50mg/Lで、日本産のミネラルウオーターはほぼ「軟水」。ヨーロッパなど海外産のミネラルウオーターは「硬水」が多く、有名なエビアンは約300mg/L、ダイエットなどで知られるコントレックスは1500mg/Lもあります。軟水になじんだ私たち日本人は、硬度が高い水は飲みにくさを感じる方が多いようです。
水のミネラル含有量は、一般に、水が岩盤を通る大陸では高く、島のような所では低いそうです。また、ヨーロッパでも、同じ国内で硬水の地域と軟水の地域があるほど水の硬度はさまざま。実は、軟水地域の日本国内、または同じ県内でも地域によって100mg/Lを越えるところと50mg/Lより低いところがあるうえ、1年のうちでも、雨が多い季節は(雨水はミネラルを含まない軟水ですから)硬度が低くなる傾向もあります。
ちなみに、三原市西野浄水場の硬度は約34mg/L(年平均値、平成17年)の軟水。おおよその傾向ですが、広島県は、東部は高め、西部は低めの硬度になっています。
水の硬度は、料理や食品などの味にも大きく影響します。料理法を見てみると、日本はゆでる、煮る、水にさらすといった、水を使う調理法が多いですが、硬水のヨーロッパなどは、水を加えず、野菜の水分だけで作ったり、蒸したりする料理が多いそうです。
料理の基本であるだし・スープも、カツオ、コンブなどは硬水だとだしがうまく出ず、一方、肉のスープ類は硬水だとあくがきれいに分離して澄んだだしができるという特徴があるのです。
しゃぶしゃぶなどの鍋物には、中硬水が適しています。
料理や食品を土地の人たちが親しんできた本来の味で楽しむには、その土地の水と同じ硬度に合わせるのがいいようですね。
第1回 06/02/6
水について考える
第2回 06/04/27
水と健康
第3回 06/06/13
水と健康(シャワーとお風呂)
第4回 06/07/12
梅雨と集中豪雨
第5回 06/08/01
ダムの水位と節水の関係
第6回 06/09/01
日焼け肌と水分