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「安全でおいしい水とは何か」をテーマに水道の水質基準が検討され,当時の厚生省に「おいしい水研究会」ができました。
おいしい水とは「ミネラル,硬度,遊離炭酸などが適度に含まれた冷たい水」といわれています。
不純物のまったく入ってない水が,おいしい水かというと必ずしもそうとは言えません。
適当な物質が適度に溶けこんでいる水が,おいしい水といわれる要件なのです。
このほか,気象条件や感覚の個人差や生理状態なども左右されるといわれています。
カルシウム,ナトリウム,カリウム,鉄などが水中に溶けている鉱物質をいいます。
ミネラルは水の味にコクとまろやかさを出しますが,多すぎると渋みや苦味が,少なすぎると淡白な味になります。
1リットル中に30~200mgを含んでいる水がよいとされています。
ミネラル成分のうち,カルシウムとマグネシウムの量をいいます。
これらの成分が多いと硬水といって口に残るような渋い味になり,低いと軟水と呼ばれ,コクのない水となります。
1リットル中に50mg前後を含んでいる水が好まれます。
涌き水や地下水などに多く含まれ,水に新鮮でさわやかな味を与えます。
これは,水中の炭酸が舌や胃の神経を刺激するためで,消化液の分泌を促進する働きを持っています。
しかし,あまり多く含まれすぎると刺激が強くなり,清涼感は失われます。
一般的には冷たいほうがおいしく感じられます。
水温は10~15度が飲むのに快適な温度といわれています。
水質項目 | おいしい水の要件 | 内容・特徴 |
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蒸発残留物 | 30~200mg/リットル | 水を沸騰させても蒸発しないようなミネラルや鉄,マンガンなどをいい,1リットル中30~200mg含まれているのが理想とされています。量が多いと苦味や渋みが増し,適度に含まれると,コクのあるまろやかな味がします。 |
硬度 | 10~100mg/リットル | ミネラルの中で量的に多いカルシウム,マグネシウムの含有量を示し,硬度の低い水はクセがなく,高いと好き嫌いがでます。カルシウムに比べてマグネシウムの多い水は苦味が増します。 |
遊離炭酸 | 3~30mg/リットル | 水にさわやかな味を与えますが,多いと刺激が強くなります。 |
有機物等 (過マンガン酸 カリウム消費量) | 3mg/リットル以下 | 有機物量を示し,多いと渋みがあり,消毒のために多くの塩素を必要としますので,水の味を損ないます。 |
臭気度 | 3以下 | 水源の状況により,いろいろな臭いがつくと不快な味がします。異臭味を感じない基準。 |
残留塩素 | 0.4mg/リットル以下 | 水にカルキ臭を与え,濃度が高いと水の味をまずくします。 塩素臭が気にならない濃度。 |
水温 | 最高20度以下 | 夏に水温が高くなると,あまりおいしいとは感じられません。 冷やすことでおいしく飲めます。 |
※過マンガン酸カリウム,臭気度,残留塩素などが多いと,水がおいしくなくなります。(厚生省おいしい水研究会「おいしい水の要件」より)